58歳で「老後」というと、やや気が早いという見方もあろう。また「老後」という言葉を避ける風潮もあることは知っている。しかし私のなかには「60歳以後は老後」という感覚があり、何はともあれ60歳までに60歳以降の準備を始めたいというのは自然な思いとして前々からもっていた。
さらにこうした思いにいたったのには、私なりの家庭の事情がある。
4年前の我が家は、妻、長女、次女、長男の5人家族。妻の両親はとうになくなり、私の横浜の実家では父はやはりなくなり、母親と姉の二人住まい。
それが3年前に次女が結婚、妻が癌でなくなり、昨年は長女がカナダに留学、今年は長男が大学を卒業して家を出る。さらには昨年は母親がなくなり、実家を畳んで、姉は近所に部屋を借りることとなった。つまりは妻と両親ともどもなくなり、子どもは皆家をでるという、ある人に言わせれば「天涯孤独」の状況になった。
そこではたと気がついたのが、一人で生きていく日々の暮らし方がよくわからない。暮らし方がはっきりしなくては考えもまとまらない。どうも酒ばかり呑んで毎日をおくるような危機感がある。酒は好きだが、60歳を過ぎて「楽しみは酒、居酒屋」なんていうのは好みではないことも最近気がついた。
もちろん仕事はあるが、勤め人ではなく、時間は比較的自由である。昨年に新たなプロジェクトもはじめているが、「一人暮らしで仕事だけ」というのもなあ。さあてどうする。
仕事以外に暮らしの核をもちたいという思いがぐんと強くなり、夏が近づき、ちょうどいいタイミングでトライアスロンが飛び込んできたのあでる。
思い出を、語る人なし、梅雨の音
時満ちて、身体に問うや、夏の空
トライアスロンでなければない理由は何もないが、この出会いを勢いにしたいと願った。
ちょうどいいタイミングで岩田コーチからメールをいただいた。
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