閑話休題 60歳を前にした男たち

昨日は56歳、57歳、58歳2名、59歳という60前の男ばかり5名での飲み会。場所は日比谷の外国人記者クラブのレストラン。このレストランは気のおけない大人の仲間の集まり処といった、落ち着いてはいるが堅苦しくはない雰囲気が気に入っている。食事もおいしく、昨夜はサラダ、チキン、ローストビーフに赤ワインを楽しんだ。
昨夜の呼びかけ人で、メインとなったのはこのクラブの会員であるHさん。大手広告代理店を早期退職して、海外のバッグパック旅行に挑戦している。その様子は「元広告マンの世界放浪記」として、ブログにアップされている http://blog.50ing.net/?cid=39444。他のメンバーは別の広告代理店のOKさん、社団法人事務局長のOSさん、そして私は初対面となった出版社経営のOTさん。
Hさんの最新の旅は中国からパキスタンのイスラマバードへの24時間壮絶バス旅行で、その行動力はバリバリの広告マンで鳴らしたHさんの面目躍如。是非お読みください。
私はサラリーマンではないので定年はないが、この年齢の男が集まると、どうしても60歳、定年以降をどのように生きるかという話題となり、Hさんの旅の報告も自然とそちらのほうに向かっていく。
Hさんは60歳定年を前に退職して「世界放浪」へと向かっているのだが、そこにあるのは70歳までをどう生きるかという意識だ。70になったらもうなかなか新しいことはできないだろう。では、やりたいことを始めることのできる人生のリミットはいくつなのか、それを考える。計算してみれば、身体の動きもまだ利く60前から65までの5年間、要はこの限られた年齢をどのように生きるかということになり、そのためには、定年までを勤め上げるのではなく、いち早く「やりたいこと」に着手することになる。その心境はよくわかる。
Hさんの場合は、「新聞にはそう書いてあるが、本当はどうなんだ、自分の目でみてみたい」というのが世界放浪へと向かわせる衝動という。新聞では毎日テロのニュースばかりが伝わってくるが、本当はどうなのか。人々はどのようにして暮らしているのか。Hさんによると、人々は機関銃を構えた兵士の横でワーワー騒ぎながら食事を楽しんでいたという。そうした光景が新聞だけではわからないリアルな現実なのだろう。そうだろうなあ。そうでなくては人は生きていけないよなあ、とこちらも共感して聞き入る。
Hさんは今回の旅は「水を浴びたようなもの」とまとめた。「何十年も会社にいたけど、こんなことはなかった」とも言った。まさに60を前にして一つの旅で一皮向けた感じなんだろう。結構じゃないですかHさん。
こうした心理は、過酷な世界にあえて身を投げるような快感があり、私のトライアスロン挑戦にも共通するものだ。飛び込む世界は、ある程度の「過酷さ」がなくてはおもしろくない。前回のブログでも書いた「我が身を頼む」という話でHさんとの会話は盛り上がった。
話の最後に、やはり60の定年を前に、Hさんと同じ広告代理店から、単身赴任で九州熊本での地域ブランディングに身を投じたSさんの話題となり、「Sさんが東京に戻ったときは集まって呑もう」ということでまとめになった。帰りがけに「これから年に何回かはこのメンバーで呑むようになるんだろうなあ」と頭が巡って電車の窓から流れる夜景を眺める。そうした人間関係をもてるということは、私は恵まれているのだろう。ありがたいことだ。こちらもいつも自分のリアルな体験を新しい話題として提供できるようでありたいと思う。
そんなことを、あれこれと、考えさせられた夜でした。
先週木曜の水泳、土曜日の水泳・バイク、火曜日の水泳と、続いてレッスンを休んでいる。人生はなかなか忙しい。明日は6時から水泳のレッスン。さあ、元気を出して行こう。
秋の夜 酒を傾け 旅の夢
あと十年 秋風が 誘い来る
今日はトライアスロンのレッスンから離れた60男の近況報告。共感いただけるご同輩も少なくないことを祈りつつ。

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