都立体育館プールで開眼? 呪文は「現在・現在」!

TTAのレッスンも正月休みに入り、昨日は夕方に帰宅してから1時間ジョグ。水族館で知られている大井勝島の公園を4周する。帰宅して風呂に入ったら、気持ちよく、湯船のなかでウトウト。やはり1時間ジョグは結構身体にこたえる。
そして今日は都立体育館のプールに出かけた。このプールは以前、TTAの水泳仲間のKさんがロタ島大会の前に特訓ででかけたことをうかがい、気になっていた。なんてったって本格50メートルプールだもの。そこでネットで調べてみたら、今日まで一般開放を行っていることを知り、よし! と腰をあげた次第。
さて、その結果は「よかった」のひとこと。
プールは低速、中速、高速、歩行にコースを分けてある。もちろん低速に入り、緊張のなかスタート。すぐに水深が深くなり、足がたたない。事前に分かっているが、緊張が増す。50メートルで壁につくと、ああ、壁が高くてつかまるところがない。足も立たない。あえぐようにターンをして、帰りの50メートル。それがなかなか着かない。焦りながらも100を泳ぎ、ハアハアと一息つくが、緊張が収まらない。
基本的には想定していた範囲であったが、驚いたのは壁の高さ。手をかけるところがない。ターンができない。気を落ち着けて2本目。残念ながら50でコースロープにつかまり一息。なんとか100を2本泳いだところで休憩時間。
休憩の間に、頭を整理する。「泳げているのだから焦るな」「ゆっくりとブレスに意識を集中」。
休憩後にまたスタートすると、前がつかえてしまう。あわててプールサイドにつかまると、監視員の方が心配そうに「大丈夫ですか?」「はい、前がつかえて焦りまして」「ここは追い抜き禁止ですから、つかえたらUターンしてください」。なるほど。これはいい。
まず、私はスイムはもちろん、バイク、ランとも、いつも追い抜かれ、引き離されて、追い抜くことはなかった。それが追いついた。正直、自信になりました。自信というのは自分の速さへの評価ではなく、「俺ぐらい遅くともここで泳いでもいいのだ」ということの自信。
次にいいと思ったのは「追い抜き禁止」。トライアスロンをやるのにそんなことは言っていられないのだが、初心者としては、追い抜かれると焦るんだよね。これで焦らなくてすむ。
よし、気を取り直して100を2本。だが50を越えると疲れる。キックも腕のプルも疲れてしまい、疲れが焦りを呼び、やっとの思いでの100メートル。
いったん上にあがり、また一息つき、しばし泳いでいる人を眺めてスタートすると、今度は意識が違った。まず、忘年会で知久さんに言われた「頭のなかで音楽が鳴る」感じを呼び込みたく、フォーフレッシュメン(ジャズ)、モーツアルト(クラシック)、マイケルジャクソン(ロック)といろいろ試してみるが、音楽が湧いてこない。困ったね。
と、そのうちに、呪文が頭に湧いてきた。「現在、現在、現在」。後先を考えず、先も見ず、鼻からのバブルを眺め、あるいは目を閉じ、アゴをひくことに意識を合わせ、「現在、現在、現在」という言葉だけを繰り返す。「現在のみを意識していれば、そのうち着くだろう」という信念に身をまかす。これが効を奏したようだ。息がグンと楽になり、100を2本泳ぎ、手ごたえを得た。
気分をよくして、手ごたえの記憶を確かめるべく25メートルプールに移りフォームのチェック。ポイントはブレスの際にアゴを引くことを確認する。
そしてまた50メートルに戻り、かなり意識を強く「現在、現在、現在」。すると「現在」がリズムになり、キックとプルの力が気にならなくなった。多分余分な力が抜けたのだろう。最後に1本と思ったが、調子がよく2本。今日は合計100を8本となった。
この「現在」の感覚はランも同様なのだが、スイムではどうしてもつかめなかった。それが今日つかめたのは、やはり50メートルプールのおかげだろう。
今日は行ってよかった。スイム開眼!??。
そこまでは分からないが、少なくとも「私の呪文」を見つけ出すことができたことを喜びたい。多分音楽はストーンズの「悪魔を哀れむ歌」がいいだろう。呪文なんだからね。「フーッ、フーッ」というやつだ。これをテーマミュージックとして1500へのスタートになることを期す。
Let me introduce my swim! hoo,hoo! ♭
東京都体育館プールは施設としても気にいった。鍵はIC機能で操作が簡単。手首に巻くのではなく、上腕に巻く方式がいい。ロッカールームにシャワーも綺麗で、湯船の風呂もある。値段は600円だが、風呂付と考えれば、銭湯の450円を引いて150円がプール代となる。安いじゃないか。時間は朝9時から夜の9時。
よし、これから通って1500メートルに挑戦しよう。まずは200メートルだね。今日はちょっとご機嫌です。
水中に 言葉を浮かべ 戯れる
冬の日に 水に浮かび 今を見る
帰りは入口のコーヒーショップで暖かいコーヒーを一杯味わいながら色川武大のエッセーを読む。
色川は「一生を通算して九勝六敗を続ける」ことの大切さ、難しさを説く。ふと、昨日のNHKテレビで立花隆と梅宮辰夫が中学時代に同級生であったことをドキュメンタリーで追った番組を思い出す。立花隆の「僕はいろんなところに出ているから、お金に余裕があるように思われるけど、いつもカッツカッツで、年末はどうしようかと思う」という発言に驚いて、そのことが頭にあった。あの立花隆がカッツカッツなら、私が余裕のないのも当たり前かと我が身を慰める。
年末は人生を振り返る時期であり、仕事、家族、自らの老後を考えれば思いも様々に乱れるが、スイムでの達成感を土台に振り返るのは、悪くないと正直思った。心のありようとは面白いものだ。

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