70歳となり病気と病院との付き合いのなかでわかったことは「自分で考え判断する」。

老化

続けて病気の話題で「恐縮」の感もあるのだが、ご同輩やこれから老年を迎えようという方々には何らかのご参考になることもあろうかと、血圧・下痢・痔について、我が身に降りかかった事態をまとめておく。
まずは血圧。40歳を過ぎるころから、病院に行く機会が増えていく。私の場合は腰痛があった。それに派生して、さまざまに検査の機会も増えていき、その延長で眼底検査をうけて「血圧高め、動脈硬化の可能性あり」との診断をうけた。しかしそれでなにか対応をしたかというと、まあ、あまり自覚もなく暮らしていた。ちなみに血圧とトライアスロンを始めたこととはまったく関係がない。
改めて血圧に向かい合ったのは、あれは4年ほど前に受けた体力測定検査である。呼吸器をつけて、ベルトの上を走って運動による影響をみる検査だ。前から一度やってみたくて、受けたのだが、血圧検査のベルトを巻いて走り始めて「血圧が高いので検査できない」となった。血圧は200に達したといわれ、さすがに驚き、病院に行くことにした。
病院はNTT関東病院の腎臓内科で、以来いまに至るまで3カ月に1回は通って、尿や血液の検査を受け、薬をもらっている。薬のおかげで現在の血圧は上が120、下は65程度と安定している。いたって気のいい美人の(いつもマスクなので多分)女医さんで、大変にありがたく思っている。
そこで2年前に「他に何か気になるところはありませんか?」の質問があり、「下痢で困っています」「では大腸内視鏡検査を受けましょう」ということになって、ポリープ発見。これが生理検査で初期がんと診断され「きれいに削除したので安心してください」ということになった。
ここで私が理解したこと。
・血圧が確かな「治療対象」となるのは、年齢が大きく影響している。
60歳を過ぎたら血圧に注意。
・血圧の「治療」は薬物治療であり、薬との暮らしが始まる。
服薬は、おそらく、一生となる。
とはいうものの、80を過ぎたら一切の薬をやめてみようかと考えてもいるが。
・血圧の治療は定期的に病院に通うことになる。
よって血圧の治療は継続的な健康管理の側面を含む。
そんなこともあり、私は人間ドックを受けていない。
次に下痢である。もともと「快便」で、子供時代より、判で押したように、朝食後に一発ですましていた。硬さも良かった、というより、便について考えることもなかった。それが、朝食後に2回、3回と増え、3回目にいたってはまったくの液状、さらに昼食後にも下痢をもよおすようになった。これが毎日となる。
下痢の犯人捜しが始まる。ネットでは下痢の原因情報が多く出ており、まず、子供の頃より愛飲していた牛乳をやめた。酒を意識するようになった。ヨーグルトや野菜、魚など、いろいろやったが効果がみえない。下痢は日常に定着する。
そこでよくよく考えて「ひょっとして薬か」に思い至ったのが、今年の夏である。
下痢は3年前からである。
原因は食習慣か老化であるが、老化であれ直接には食習慣であるはずだ。
3年前から確かに変化した食(と言えるのかどうか)習慣とは、薬だけである。
なかなか、ここまでたどりつけなかった。
飲んでいる薬の添付文書を調べると副作用に「下痢」の文字がある。
というより、調べたどの薬にも「下痢」の文字があるのだ。これはちょっと驚いた。
薬には副作用があることはわかっている。しかし、このような形で自覚するとは思ってもいなかった。副作用とは直接反応で、飲み終えればなくなると思いこんでいたのだが、続けて毎日飲んでいれば、それは副作用は日常として定着もするだろう。別に当たり前のことなのだ、もっと早く気付きたかった。
そして、先生に伝えて薬の種類を替えると、なんと約2週間後から、確かな変化をつかみ始めている。始めているというのは、日によって違い、まだ安定はしていないからだ。
そこで思うことは、先生には下痢を訴え、そのために大腸の内視鏡検査を受けていたのに、かかりつけの先生も、内視鏡検査診断の先生も薬の可能性を指摘せず、原因は薬ではと疑ったのは私であるということ。それも随分と時間がかかった。
「先生、早く気が付いてよ」と思わないでもないが、これを非難するつもりはない。そうしたものなのだろうと思うばかりだ。

ここで私が理解したこと。
・体調変化(特に下痢)の原因として薬の副作用を疑う。
服薬が増えた老人は薬の副作用に関心をもつべきた。
・自分の身体と治療の方法は自分でよく考えて医師任せにしない。
あるいは回答は医師ではなく自分でもつものなのだ。
・老人になったら定期的に通い、フランクに意見交換ができる医師との関係が必要になる。
それは探して作らないとならない。
私の場合は、血圧管理が病院に通う理由となっている。つまり病院に通うには病気でなくてはならないのだ。
毎年花粉症とインフルエンザ予防注射で通っている駅前のクリニックがある。
加えてNTT関東病院で定期的な血圧治療を受けており、私は双方の先生とも信頼をおいており、満足している。
ただし、NTT関東病院からは、厚生労働省の拠点病院の施策から、クリニックへの変更を求められている。これからは、どうなることやら。
高齢化社会では、病気であるかないかにかかわらず「定期的な心身管理」と生活指導、さらには運動指導を行う病院が求められていくだろう。たとえば富裕層向けに月20万、年間300万円程度でそうした管理サービスをを行うというのは、考えられると思う。あるいは私が知らないだけで、富裕層の間ではすでに広がっていても不思議はない。
私は富裕層ではないので、NTT関東病院との関係が切れても、血圧管理という病気(健康保健管理)を前提に、そうした私の健康管理の意向を理解、共有していただけるクリニック、先生を探すことを考えている。
基本的に個人の先生に依存しない複数医師のクリニック。自前である程度の検査ができる中規模のクリニック。ホームページでそうした意向を示しているクリニック。場所は(家族ケアを基本にした)住宅地ではなく、ビジネス街の高齢者が比較的多いと思われるクリニック。果たしてこうした私の目測は的外れではないかどうか。

三浦海岸 小春日和の マグロ丼
どうも見たままで俳句とは言えないなあ。

歳をとると、病院との付き合い方が、大切な暮らしの工夫となる。
病院が嫌いな人は多いかと思うが、私は嫌いではない。
かといって何も健康マニアではない。
何か悪い具合を放置しておくのは好みではないのだ。
病院で自分の身体の情報を得ることも楽しみに思っている。
そして、病院の浮世離れした環境を好ましく感じている。
病院に行くと、時間のとまったような感覚がある。
次は痔となるのだが、話が長くなるので、次回にまわすことにする。

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