昨日、2月16日で60歳、還暦となった。私は勤め人ではないので、60歳で定年といった感覚はないが、それでも60歳というと、老年へと向かっていくひとつの区切りとして、いささか感慨深いものがある。この年齢になって、公私ともども、やるべきこと、やりたいことがあり、さまざまに人間関係がひろがっていることの幸せを感じている。
これまでの我が身を振り返れば、どちらかといえば受身であり、風の向きにあわせて帆をあげるようにして人生をしのいできたが、これからは意識して前に立ち、自ら風を起こしてみようと思っている。
トライアスロンにおいても、「還暦トライアスリート」ということになり、面映いが、それだけでひとつのキャラクターになったような、ちょいと自慢したいような気分となる。おもしろいものだ。私は「年齢なんて関係ない」とは思わず「歳相応」を大切に考えており、自分なりに還暦をきわめ、還暦になったことをプラスにしていきたいと思う。
気分としては、還暦を期に、最後のダッシュに向かっていく感覚かな。ダッシュといっても、もう若い頃の勢いはない。還暦からのダッシュの感覚を自分のものにしたいと思う。
いま、そんな積極的な気分になっている理由のひとつが、火曜日のスイム練習。問題の右手だが、顔をあげるタイミングを早くし、かく腕をやや外にして浮力を得ることで、だいぶ右手が伸びるようになり、ようやく50メートルで1分3秒というところまでやってきた。手ごたえがでてきた。あと2ヶ月ぐらいで、目標である「50メートルを楽に泳いで1分以内」になんとか到達してシーズンインを迎えたい。
考えてみれば、左足を痛めたために水泳に向かい、オーシャンナビのトレーニングに参加したことがプラスに働いたところがあり、コツコツとやっていれば、人生万事塞翁が馬が巡ってやってくることを実感している。あきらめてはいけないのだ。当ブログでコメントをいただいているKenさんからは、「足の回復を楽しむように」というアドバイスのメールをいただいた。そうなんだよね。そうした気持ちのありかたが大切で、そこにこそ人生の秘密があるのだと思う。
一昨日、たまたまテレビで石岡瑛子のブロードウエイでの活動を追ったドキュメンタリーを見た。71歳という。特に印象に残ったのは、番組の最後に石岡瑛子が「馬車馬のように前だけをみて走ってきた。これからもそうして走っていくだけ」といった意味の発言であり、大いに刺激を受けた。改めてアクセルを踏みなおすという、還暦の誕生日を迎える気分に実に素直にフィットした。
「馬車馬」というたとえには、「わき目も振らずにひたすら前を向く」イメージがあり、いかにもデザイナーらしい集中力を感じさせる。私の場合は「馬車馬」よりも「猪突猛進」かな。前方の一点を見つめていく集中力はなく、汗をかきつつ、愚直に、ひたすら前へと足をかく。
初雪に 還暦迎え 走り出す
還暦や 命の力 確かめる
今日は「元気でやっていきます」という自己確認。
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