血圧では3か月に1回のペースで病院に行き、毎日つけている血圧データを見せ、血圧を測って薬を買ってくる。一般に高血圧は複合的な原因なのだが、まあ「老化かなあ」ということになっている。若く気さくな女性の先生だが、いつも大きなマスクをしているので、顔はよくわかれない。大きな目できっと美人と思うのだが、道ですれ違ってもわからないだろう。今度マスクをとった顔を見せてもらおう。
それはそれとして、血圧が落ちついてきて、少し余裕もでき、先生に体の具合が思わしくないところを訴え、他の科を紹介してもらうことにした。
まずは耳鼻咽喉科。
季節を問わず、朝の鼻水がひどい。ティッシューでは痛くなるので、タオルで鼻をかんでいる。鼻水はほとんど水状態。それにうんざりし、レーザーで鼻孔を焼く手術を申し込んだのだが、若くてくせ毛、昔のヒッピー風な耳鼻咽喉科の先生から「レーザーで鼻水は治りませんよ」と言われ、アレルギーの薬1錠が追加となった。ただしこの薬は対処療法で、元を断つわけではない。「要は鼻をかむか、薬を飲むかです」とおっしゃる。この言い方はおもしろかった。納得。
耳鼻咽喉科では、このほか「誤嚥」の診察もお願いした。ときどき食後になんか違和感を覚えるのだ。友人が喉頭がんとなり、こちらも気になってきた。鼻孔から喉にかけて、内視鏡の検査を受け、感染症や異常は見当たらないとの診断。
鼻水も誤嚥も、原因といえば、結局は「加齢」であるという。歳をとるにしたがって、あちこちに不具合が生じ、日々飲む薬が増えてくるのだ。
大腸内視鏡検査も申し込んだ。これは「下痢で悩まされている」ため。朝食後のトイレが、子供のころからの私の習慣だ。便秘になったことはない。それが、いつごろからか、1回ではおさまらず、10分後に1回、さらに15分後に1回という具合に、数回トイレに行くようになった。行くたびに便の水分が増え、3回目には完全に液体状態となる。さらに、昼食後にも行くようになった。加えてランのさなかにもよおすようになり、振り返ると、昨年末の20キロマラソン、今年に入っての10キロマラソンで、ともに走っているさいちゅうにトイレに駆け込むことになった。これは実に情けない。走りながら「もつかなあ」と自問しつつトイレを探す。爆発したら大変だもの。
それを訴えると、「大腸炎かもしれませんよ。大腸の内視鏡検査を受けたことはありますか」「いやないです」「やってみますか。年齢的にも一度やってみる価値はありますよ」。こちらも年齢か。こういわれると、なんでもやってみたいタチである。「なるほど、やってみましょう。肛門のヴァージン体験だな」「ワハハ」といったお気軽な会話で、来年の1月5日、正月明けに大腸内視鏡を受けることとなった。
椎間板ヘルニアは、坐骨神経が少し痛むものの、小康状態を保っている。
歯頚が腫れて化膿したが、処置をしておさまった。ちなみに歯磨きは家にいるときは毎食後20分。2か月に1回は歯医者で定期処置と、かなりケアしているのに、こうしたことが起こるのだ。
本によればヘルニアの再発も、歯頚の衰えも「加齢」によるものであり、「老化現象」である。
ということで、いま、「老化」対策として一通りの身体のケアにあたっている。ただしこれは「老化」への抵抗ではない。「老化」とどうやってうまく付き合っていくのかを模索しているのだ。
病気ではないが、感じる「衰え」も挙げてみるか。歩くのが遅くなっている。床のものをとるのがおっくうになっている。体重が落ちない。酒が弱くなっている。スピード、力、敏捷性が衰えている。でも、トライアスロンは3種目とも、まだ伸びしろはあるのではないかと思っているのがおかしい。
走り見上げる 秋の雲 黄昏の陽
加齢での衰えに合わせた身体を作っていきたいと思うのだ。それなりの作り方というのものがあると思うのだ。この半年で病院系のチェックは一通りすますことになる。スッキリしたところで、うまいこと「頃合い」を探していきたい。要は毎日の暮らし方であることはわかっているのだが、その暮らし方がうまくつかめない。
写真は通っているNTT関東病院。実は病院は嫌いではない。日常と離れた「浮世離れ」した感覚、独特な時の流れが、心落ち着かせてくれるのだ。おかしいかな。
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