木更津トライアスロンはうだるような暑さだった。あまりの暑さに、バイクは3周が2周となり、ランは2周が1周になったほど。
そのバイクの2周目。1周を終えてようやく調子がでてきた。無理なくペダルを回す感覚をつかみ、珍しく2人を追い越し、さあ、いいぞと思っていた。下を見て一心不乱にこいでいたら、いきなり視界がコンクリートから芝生になった。ようは前をちゃんとみないでコースアウトしたわけだ。おお、これはいけない。ちゃんとコースに戻ろうとそのまま走ったら、コンクリートと芝生の境の段差にタイヤをとられて、右に落車した。
倒れる直前は、ああ、いけないんじゃないか、ああ、やっぱりだめだ、ほら、転んだ、という感覚でいまだに回転していく光景が目に焼き付いている。
そのまましばらく仰向けで深呼吸。すぐに思ったのは鎖骨は折れていないか。ああ、大丈夫そうだ。次々とくるバイクが「大丈夫ですかあ」と声をかけてくれる。「大丈夫ですよお」と応えながら、起き上がろうとコンクリートに手をつくと、これが熱い熱い。まともに手がつけない。どうしたら立てるんだ???
それでも何とか立ち上がり、傷を確かめると肩、ひじ、ひざに酷い擦り傷。でも骨折はなさそうだ。バイクを起こし、またがって走り出す。いけるかなあ、と思わないでもなかったが、あまりの痛みに棄権を申告。救急の場所を聞いて、バイクを押して歩きだす。
救急では、若い女性が3人も熱中症で横になっていた。応急治療は消毒液を傷口にかけるだけ。あまりの痛さに叫び声があがる。このままにしておいてください、とはいうものの、傷はむき出しで風が吹いても痛いじゃないか。
帰宅し、大型バンドエイドを6枚も貼って手当て。翌朝に目覚めると回復の感覚があり、ひと安心したが、気になって整形外科に行くと、レントゲンではわからないとのこと。数日後に検査クリニックでMRT検査、不完全骨折・ヒビが判明した。全治1カ月という。
擦り傷は日々目に見えてよくなっていく。しかし肩の痛みはなかなか薄れない。基本回復基調であるが、2週間目の今日はまだまだ痛い。
落ち着いて数えてみれば、九十九里は3週間後か。確かに、あと2週間はかかる感覚がある。参加を見送り、応援に回るか。
レース中の事故、レース中の落車、骨のヒビ、いずれも初体験である。事故後数日は、いったん止まっておけばよかったのにと、後悔ばかりが頭をめぐり、なかなか受け入れられなかった。2週間たって、ようやくちゃんと直さなくてはと気分の切り替えができた。
擦り傷を 陽に焼かれて かみしめる
事故というのは、あぶない、あぶないと思いながら落ちていく感覚がある。あぶない、と思えばやめればいいのに。なぜ止まらない。なぜ咄嗟に全停止しないのだ。
バイク事故の多くは前方不注意なんだ。スマホを見ながらで事故を起こして大事に至ったニュースもある。
あまりに暑かったから、ボーっとしていたのかな。あぶないと思った際の反応が鈍かったかな。
昨年の10月30日に大阪道頓堀で右足肉離れで回復を実感するのに半年近くかかった。そして今回の事故。今シーズンは事故に見舞われた。そうした年もあるのだろう。
気分サッパリ、今年はあきらめて、改めてリセットしよう。
今年は老化の階段を確かに一段降りた感覚があった。
そのうえで、新しいからだづくりに励んでみよう。今年はトライアスロンを始めて9年目で67歳。この事故をこれからの9年に向かうキッカケにしたいと考えている。
写真は木更津レースの会場。見晴らしがいいんだよ。
レースでバイク落車、DNF、肩の骨にヒビの顛末をご報告。
8月26日木更津トライアスロンのスプリントで、バイク落車をしてDNF。右肩にヒビが入り、9月16日の九十九里トライアスロンへの出場が危うくなってしまった。
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